2023/06/05
この春に開校した新設校です。
もとは東京女子学園で、今も中2・中3・中学
からあがった高1・高2・高3は女子校になり
ます。
このところの新規開校では、三田国際、サレジ
アン国際世田谷など「国際」をつけるのが流行
らしく、2025年には羽田国際中も開校します。
名称の「芝」はまさに所在地で、田町駅から徒
歩5分の立地にあります。
そして「国際」はこの学校の掲げる一番の売り
です。在学中には一度は海外で暮らしてほしい
との学校の方針で「アメリカ修学旅行」をはじ
め、「スタンフォード大学へのSTEAM研修」
「タスマニアでのホームステイ」「セブ語学研
修」「カンボジアでのSDGs研修」等様々な海
外プログラムが用意されています。
日頃の学校生活は生徒の主体性を尊重する方
針で、文化祭・体育祭・修学旅行は生徒自ら
が考えて行っていくとのことです。
大学入試に対しては、6時間の授業終了後に、
中学は「放課後塾」として8時間目まで、高
校は「放課後予備校」として10時間目(20時
終了)まで学校内で受験対策を行っていきま
す。指導に当たるのは、他校の放課後学習に
見られるような予備校の先生ではなく、学校
の常勤・非常勤の先生だそうです。
12階建ての新校舎が完成し、レインボーブリ
ッジが見える屋上はテニスコート2面分の人
工芝の「校庭」になっています。この屋上の
校庭と体育館以外に他に運動場はなく、サッ
カー部はグランドを借りて活動する予定です。
「都心」「駅近」「共学」「国際」「自主性」
「新校舎」と、昨今の中学受験で人気の出る
キーワードが全部入っているため、情報に「
敏感」な人たちの支持を集め、第一期生を目
指して多くの児童が受験しました。
しかし、帰国生の合格者を多く出しすぎて2
月以降の合格者を制限した結果、2月に受験
した2434名のうち合格できたのはわずか181
名(実質倍率13.4倍)と、非常に狭き門とな
ってしまいました。
入試当日も合格発表が大幅に遅れる等大混乱
でした。
そこで2024年は、高校の募集を減らして中
学募集を35名増加させるとのことです。
新しい学校に混乱はつきものです。
今説明してきたことが着実に実行されれば、
それは素晴らしいことですが、まだ一つも
実践されていないことで、失敗も数多くで
てくることでしょう。
海外プログラムが多いということは費用も
相当かかるわけですし、放課後の大学受験
指導も、実績のまったくないところからい
きなり難関大学を目指すといっても、そう
は簡単にいくとは思えません。長らくこの
業界にいる者として説明を聞いて「?」が
いくつもありました。
学校の目指す基盤ができるまでには2まわ
り(12年)」位かかるというのが私の持論
です。
これらの「新設校」を目指す場合は、学校
が掲げる「聞こえのよい目標」に雰囲気だ
けで流されるのではなく、「失敗も含めて
学校の先生たちと一緒に学校をつくってい
く」くらいの気概を持ってほしいと思いま
す。
そして説明会後のランチは、田町といったらこ
こ「慶應仲通り商店街」で。
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