千代田区立九段中等教育学校

2009/06/13

まだPLENUS生はだれも公立中高一貫校は受検していませんが、ここのところ面談で名前があが

るようになりました。今後にそなえて我々も対策を検討しているところです。

この学校を訪問するのは2回目です。靖国神社のすぐ近くにあり、近辺には暁星・白百合など著名

校も多くあります。九段高校と道を隔てた所に校舎を建て、グランドは高校と共有です。

「確かな学力の育成」と「豊かな人間形成」をめざし、生徒には自立した姿勢を身につけるように指

導しているとのことです。

この学校のセールスポイントは「千代田区」という立地を生かした教育です。

区内には多くの大学・企業・大使館があり、それらと連携しながら、他の公立校では「できない」、

そして私立校では「しない」総合的学習・奉仕体験学習・キャリア教育・環境学習を実践しています。

それを支えるのは一般の都立校の10倍の予算と1.5倍の教師数です。

これらの教育を通して、勉強はできても面白みのない、また思いやりのない人間ではなく、「正義感

・道徳観」をそなえた真の「エリート」を育てたいと校長先生は話していました。(塾の先生向けの説明

会は会議室のような部屋で行われたのですが、校長先生の足下がサンダルで片方の足でもう一方

の足をボリボリかき、せわしなく動かしながら語っているのが前に座った私から見えて、説明の内容

はいいのですが、心がこもっているようには思えずイマイチ説得力がありませんでした。見た目の印

象も大事ですね。)

さて、入試についてですが、公立中高一貫校の場合は適性検査のため、「受験」ではなく「受検」とい

います。入試問題はよく練られた総合問題形式となっています。どのような問題が出題されるかわか

らず「対策」はなかなかたてにくいですね。「好奇心が強く、雑学があり、機転がきき、物事を立体的・

多角的にとらえることができる」児童なら、特にそなえた勉強をしなくてもスッと合格することができる

でしょう。反面、「公立中高一貫コース」等を受けて対策でガチガチになった頭では、対応することは

かえって難しいのではないかと思います。もっとも、「公立中高一貫コース」が置かれている塾の教室

でキチンと運営ができている所は皆無といっていいと思いますが。

公立中高一貫校の倍率は実質で10倍前後あります。そのうえ問題の特性から偏差値通りの結果と

はならないので、がんばっても合格できるとは限らない点で「報われない入試」ともいえます。

しかし、ベースになる4教科の力をつけるには、私立校受験の学習をすることが有効だと思います。

そのため、めざすなら、上記の資質をそなえた児童が受検対策など特にせず、いろいろな体験を小学

校生活を通してしながら受けるか、もしくは私立向けの学習をキッチリして合格し、その上で、公立も

という併願作戦をとるかのどちらかがいいのではないかと考えます。

 

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