耳慣れない学校だと思いますが、2019年4月に新規
開校する共学の中高一貫校です。母体となるのは目
黒区にある東京学園高校で、その学校法人をあの河
合塾が買い取り、100年程前に提唱されたドルトン
プランという教育メソッドを実践する学校としてス
タートします。
河合塾が運営する学校なら、さぞかし大学受験を意
識したシステムだろうと思われますが、目指す方向
はそうではないようです。
「自由」「協働」を旗印として、生徒自らが主体的
に学ぶための「アサイメント(学びの仕組み)」「
ハウス(複数の学年で形成されるコミュニティ)「
ラボラトリー(自ら学ぶための時間と場所)」等の
様々な工夫をこらし、将来については国内外を問わ
ず「多様」な選択ができるような環境を用意してい
くそうです。
それを実践しやすくするために1学年は100人、1
クラス25名の編成にします。 まだ在校生がいませ
んが既存の学校の教室とは違うつくりで、机や椅
子の配置を変えながら授業を行う予定です。
「多様な」学び場がいくつも用意されていますが、
その象徴が吹き抜けのスペースにあるラーニング
コモンズです。生徒たちは、他にもいくつも設け
られたブースで、友人や先輩・後輩と、時には一
人で学習に向かうことを想定しています。
技術・美術室と家庭科室、2つの理科実験室が
設けられましたが、全校生徒がそろっても600人
なので設備は十分だと思います。
もとはNTTの土地で、人工芝がはられサッカー一
面がとれるグランドがあります。サッカー部やソ
フト部、陸上部は予定しているそうですが、野球
部はないようです。
ジムと呼ぶスペースは剣道とダンス用につくられ、
壁面が鏡になっています。
200人収容のカフェテリアがありますが、稼働す
るのは3年後、新入生が高校生になる頃からとな
ります。
最寄り駅は成城学園前です。
私は行きは歩き、帰りはバスを使ってみましたが、
徒歩で20分、バスで7分+徒歩1分でした。通学
は路線バスか徒歩、自転車ということになります。
2019年の入試を経て第1期生が入学することにな
ります。当然、第1期生に「先輩」は存在せず、
自分たちで学校の歴史をつくっていくことになり
ます。
もちろん、学校のえがく理想の姿は簡単に実現す
るものではありません。特に基本理念の「自由」
「協働」そして「多様性」は、生徒自身に力がな
ければ、やりたい放題のダラダラとした方向に向
かってしまうことも有り得ます。
立地や施設は確かに魅力的ですが、一番大切な「
掲げる教育の実践」については、今後の展開に期
待したいところです。