戊辰戦争で有名な榎本武揚が創立した東京農業大学の
付属校が開校したのが1949年。その後1964年に共学化
され、中等部は2005年に設立されました。
東京農大第一中の理念を表す言葉は「知耕実学」。
自らの「知」を耕し深めるために、教室での授業に加
えて様々な「体験型」の実習を積み重ねていきます。
「農大」からイメージするように理科の授業では実験
が多く、レポートを書く機会がかなりあります。
以前は「農」のイメージで避ける女子がいましたが、
今では逆に有力な志望動機の一つです。
農大に進学する生徒もいますが、今は5%程で大半
が受験して大学を目指す「進学校」です。
2018年大学入試実績は、北海道大7、東大1、東工
大3、早大47、慶大17、上智大18と着実にのびてきて
います。
もっとも中等部開校の時に、中等部一期生が大学受験
する際に早慶上智100名合格を目指すと、高らかに宣
言していましたが、7年経ってようやくその数字に近
づいた感じです。「予備校いらず」の体制をつくろう
と工夫しているようですが、自習室の席数が少なく学
校も今後の課題の一つにあげていました。
共学校のため学校の雰囲気が明るく、男女が同じ立場
で活発に学校生活をおくっています。
部活では生物部や馬術部が全国的な成果をあげていま
すが、特に活動日の制限はなく、生徒たちは積極的に
部活に勤しんでいるようです。
生徒によれば、独自の視点で授業を行い生徒と接する
「個性的な先生」が先生が多いとのことです。
中学入試は①1日午後、②2日午後、③4日の3回で
すが、①は算国または算国理社、②は算理、③は算国
理社と、3回とも受験科目が異なるのが特徴です。
進学実績がのびてきたこと、そして昨今の共学校人気
もあり、ここ3年間で①597⇨677⇨741、②375⇨406⇨
436、③187⇨245⇨281と受験者は増加しています。
共学の進学校といえば渋々、広尾、神大等があります
が、意外と選択肢が少ないことも、同校の人気の一因
です。偏差値は男女とも60前後とかなり難化しました。
今年、PLENUSから3名が合格し、2名が入学し
ました。
KAさんは二人のお姉さんも同校に在籍していたので
学校に対する理解は入学前からバッチリ。入学式では
1年生を代表してあいさつしました。
Mさんは「特待生」として入学。期待の星です。
合格したものの入学しなかったKOさんは、本来は同校
が第一志望でしたが、合格発表の後、日本女子大の方
に、より強い縁を感じて入学することにしました。
昨年、隣接した場所に東京農大稲花小学校が開校。
これにより、東京農大は小学校から大学まである総合
学園になりましたが、今の小学1年生が中学に入学す
る時に、中学の募集要項が変わることでしょう。